手術を受けたコザクラインコのズン太ちゃんのご紹介です。

ズン太ちゃんは、8歳9ヶ月の女の子です。以前から腹壁ヘルニアがありましたが、便が出にくくなったとのことで来院しました。診てみるとヘルニア内に総排泄腔が落ち込んで排便しにくくなっていました。ヘルニアを整復するため、手術を行なうことになりました。

手術は、まずお腹の皮膚をＸ字切開して剥離しました。次にヘルニア嚢お腹の中に戻し、断裂した腹筋を縫合しました。その後皮膚を整形して縫合し術式終了しましたが、麻酔からの覚醒が遅く、覚醒後にチアノーゼを起こしました。麻酔による循環器抑制の影響または腹腔内に臓器が戻ったため呼吸器が圧迫されことが疑われました。判断がつかないため、もう一度麻酔をかけて、皮膚の縫合を開放し、次に腹筋の縫合を開放しました。ヘルニア輪は閉鎖しないことにして、皮膚を再縫合しました。

麻酔から覚醒しましたが、チアノーゼが改善しないため、呼吸器の圧迫ではなく循環器障害を起こしたと判断し、心臓薬を投与して酸素室で経過を見ました。循環器障害は徐々に改善し、本日退院しました。

無事回復してよかったですね。ヘルニアは治せませんでしたが、皮膚を整形してますので排便障害は治っています。今後は発情しないよう気をつけていきましょう。

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