【筋胃切開・金属片摘出】サンちゃん@オカメインコ

手術を受けたオカメインコのサンちゃんのご紹介です。

サンちゃんは、2歳8ヶ月の男の子です。6月に今朝放鳥してから吐くとのことで来院しました。濃緑色便をしていたことから、金属中毒を疑い、レントゲン検査を行なったところ、筋胃内に大量の金属片が見つかりました。食べたものは、後にカーテンウェイトであることが分かりました。

入院治療を開始しましたが、中毒症状が酷く、体重は下がる一方でした。1週間経過したところでレントゲン検査を行ないましたが、まだ大量に金属片が筋胃に入ったままでした。このままでは助からないと判断し、筋胃切開による金属片摘出手術を行なうことになりました。

手術は、まず腹部を逆L字切開にて開腹しました。次に筋胃を炭酸ガスレーザーメスにて切開し、内部を確認しましたが、小さな切開創からでは容易に金属片を見つけられませんでした。いくつか金属片を摘出した後にレントゲン撮影を行うとまだ金属片が入っているため、筋胃内部を生理食塩水で洗浄してみましたが、思うように洗い出せませんでした。再びレントゲン撮影をして確認すると、金属片が腺胃内に移動し、一部十二指腸に流出していました。

そこで腺胃内まで洗浄管を挿入して洗い出したところ、金属片が出てきました。確認のため、レントゲン撮影を行なうと、胃内には金属片が無くなったため術式終了し、腸内に入った金属片は自然排泄を待つこととなりました。

術後の経過は良く、徐々に体重が上がり始めましたが、術後6日目に再び調子が悪くなったため、レントゲン撮影を行なったところ、金属片が筋胃内に戻ってきていました。

十二指腸内から逆流して戻ってきたと考えられます。そこで入院治療を継続しながら、再び金属片が出るのを待つことになりました。不安定な調子が続きましたが徐々に回復したため、金属片はまだ筋胃内にありましたが、術後20日で退院して自宅治療としました。

しかし退院後4日で嘔吐が酷くなり食欲が低下したため、再入院となりました。治療を継続したところ、徐々に回復し8日目で退院となりました。その後は自宅治療を継続し、術後53日目のレントゲン検査で、金属片が全て排泄されたことが確認されました。

その後中毒による影響を考慮して約1ヶ月ほど内服を継続し、血液検査を行ないました。異常値が認められなかったため、通院終了となりました。金属を摂取してから、約3ヶ月の闘病が終わりました。筋胃切開によって金属片を摘出しなければ、助からなかったと思います。元気になって本当に良かったです。また食べたりしないよう、十分注意してくださいね。

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