【連載】第6回:羽毛損傷行動の治療

羽毛損傷行動を治療するには、その原因の改善がもっと重要ですが、その他にも行動修正のためのいつくかの方法があります。治療のために必要な項目を順に説明していきましょう。

ステップ1:健康状態、食事内容の確認

健康診断は、身体検査、そ嚢液検査、糞便検査だけでなく、レントゲン検査、血液検査、感染症検査に至るまでしっかりと健康状態をチェックする必要があります。羽毛損傷行動に医学的な原因がないか動物病院でしっかり調べる必要があります。当院ではバードドックを行っています。総合的な健康診断は、AまたはBコースを推奨しています。

食事のバランスが取れているか確認します。シードが主食の場合は、ビタミン不足がないかが重要です。特にビタミンAの不足は、皮膚・粘膜の障害を引き起こしやすくなります。その他、ミネラルの過不足、脂質過剰がないかを確認します。

ステップ2:ストレスの原因と改善

こちらは、第5回:ストレスと対処法を参照してください。

ステップ3:薬剤の使用と理学療法

羽毛損傷行動の治療には、抗うつ剤や向精神薬などの使用報告がありますが、薬剤で緩和するケースが一部みられるものの、完治することはありません。当院では、これらの薬剤は使用せず、人の精神疾患でも使われる気の流れをよくする漢方薬を使用しています。

また理学療法として、高圧電位治療を行っています。副交感神経を活性化することで、血流を改善して体調を整える効果があります。

ステップ4:ポジティブ・レインフォースメント

ポジティブ・レインフォースメントは、日本語にすると「正の強化」となり、動物のトレーニング法の一つです。正の強化は、ただ単に褒めてしつける方法ではなく、正しい行いを持続して自ら行えるようにするのが目的です。トレーニング中に、正しくない行動を取ったとしても、違うと叱ったり、正しい行動を無理やりさせるようなことをせずに、正しい行動を取った時だけご褒美を与えてトレー二ングをします。様々なトレーニングを継続することで、ポジティブな感情を持つ新しい行動を身につけていく過程で、羽に意識を向けることを減らすことができます。

ステップ5:エリザベスカラー

羽毛損傷行動の治療は、以前はエリザベスカラーを付けて羽を抜かせないようにするだけの治療が行われてきました。しかしこの処置は、鳥に非常に大きなストレスがかかります。羽を抜きたいのに抜けなくなるだけでなく、エリザベスカラーが付いていることをとても嫌がります。そして羽づくろいや水浴び、飛ぶことができなくなります。

エリザベスカラーは、羽毛損傷行動を根本的に治すことはできず、外すと再び羽を抜き始めます。よって安易な使用は避けるべきです。しかしエリザベスカラーが必要な場合もあります。それは、新生羽を齧ったり、皮膚を自咬して出血を繰り返す場合です。これらの場合は、一刻も早く羽や皮膚を齧ることを阻止しなければなりません。

エリザベスカラーは、当院では天然ゴムを使用しています。ぶつかっても柔らかく、噛んで壊すことが少ないため、長持ちします。またエリザベスカラーのみでは患部に届いてしまう場合は、エリザベスカラーの下に伸縮包帯をコルセット状に巻いて、首が曲がるのを抑制することもあります。

エリザベスカラーを使用すると羽づくろいができないため、定期的に外して羽づくろいをさせる必要があります。家で外せるなら毎日やった方が良いですが、外せない場合は週に1回程度、病院で外して羽づくろいさせるために通院することが推奨されます。

今回で、羽毛損傷行動の連載は終了となります。羽毛損傷行動は、単純なストレスで終わらすことができない、根の深い問題です。今一度鳥の目線になって、育ちや生活に問題がないかを見直してみてください。そして羽毛損傷行動を見つけたら、早めに病院に相談して癖になる前に対処するようにしましょう。

Birds' Grooming Shop通販サイト

横浜小鳥の病院併設ショップ 鳥・うさぎ・小動物の最適な暮らしと看護をサポートする用品通販ショップ

インコ、オウム、フィンチの飼い主さんのニーズに応える「横浜小鳥の病院」併設ショップBirds Grooming Shop(バーズグルーミングショップ)です。

100%オーガニック原料のハリソンバードフード日本正規代理店。一般の方から動物病院・ペットショップ関係の方までお気軽にご相談ください。
PAGE TOP
モバイルバージョンを終了