【右翼腫瘍摘出】メルちゃん@オカメインコ

手術を受けたオカメインコのメルちゃんのご紹介です。

メルちゃんは、10歳3ヶ月の女の子です。4月にオカメパニックにより右の上腕骨を骨折し、鳥専門病院にてテーピングによる固定により治療を行いました。しかし再び5月にオカメパニックで同じところを再骨折しました。その際の診察で骨折付近にしこりができているのが見つかりました。しこりは徐々に大きくなり、骨周囲に広がってしまいましたが、飼い主さんが翼を取ることに抵抗があったため、部分摘出と局所の抗がん剤治療、ステロイド剤の内服を行いましたが、効果が見られずにかなり大きく成長してしまいました。当院へは、これ以上できることはないかセカンドオピニオンにて来院しました。診てみると右翼に巨大な腫瘍ができており、肩関節周囲にまで成長していました。レントゲン検査により、上腕骨が部分的に吸収されているの分かりました。命を救うには翼を取るしかないことを説明し、翼を取るには骨切り術が必要なためリスクが高いことを同意していただいた上で手術を行うことになりました。


こちらが翼腫瘍のレントゲン画像です。上腕骨が溶けて吸収されているのが分かります。

手術は、まず腫瘤周囲の皮膚を電気メスで切開しました。次に腫瘤から皮膚を剥離し、半導体レーザーメスにて胸筋を切開して烏口骨と叉骨を露出して切断しました。次に広背筋を切開して肩甲骨を露出して切断し、腫瘍を翼ごと摘出しました。その後筋肉を部分的に縫合し、皮膚を縫合して術式終了しました。

右翼はなくなりましたが、腫瘤を全て摘出することができました。腫瘍がこれ以上大きく成長していたら、手術ができなかったかもしれません。間に合ってよかったですね。

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