【精巣腫瘍摘出】もなかちゃん@オカメインコ

手術を受けたオカメインコのもなかちゃんのご紹介です。

もなかちゃんは、17歳の男の子です。2月に近医にて肝臓が悪いと診断され、紹介され来院しました。レントゲン検査をしてみると、大腿骨の骨髄骨と左精巣の軽度腫大、肺炎と気嚢炎、筋胃の拡大が見つかりました。精巣腫瘍の疑いがありましたが、呼吸気感染および胃炎の治療を開始しました。3月に入り調子を崩したため入院し、入院中の血液検査では肝機能の低下が見つかりました。退院後治療を継続し、9月に入って一連の症状が改善したため、精巣膿瘍の手術を行なうことになりました。


もなかちゃんのレントゲン写真です。大腿骨に骨髄骨があるのが分かります。

腹腔内に変形した精巣が写っています。

手術は、まず腹壁をT字切開にて開腹しました。次に腸を除けて精巣を確認したところ、左の精巣が腫瘍化していました。しかし精巣靭帯が腫瘍に巻き込まれており、後腹膜との間に隙間がほとんどありませんでした。なんとか精巣と後腹膜の間に止血クリップを掛けて血流を遮断し、次にレーザーメスで精巣に穴をあけて内部を超音波乳化吸引装置にて吸引しました。次にレーザーメスにて腫瘍を切断して、精巣膿瘍をできる限り摘出しました。右の精巣は肉眼的に確認できなかったため摘出できませんでした。その後閉腹して術式終了しました。

腫瘍は取れましたが、マージンが取れていませんので再発する可能性があります。今後も継続して経過を見ていきましょう。

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