【レッドフェザー】コザクラインコの羽毛変色
羽毛が赤色に変色したコザクラインコの症例のご紹介です。
年齢は6歳の女の子です。半年前から赤い羽根が増え始め、全身に広がってきたとのことで来院しました。体重は67g、慢性的に発情しており、右の翼先端にしこりができていました。羽毛の変色と呼吸促迫があったため、レントゲン検査と血液検査を行いました。
背中だけでなく、胸からお腹にかけて羽毛が赤く変色しています。
右の翼の先端内側に小指頭大のしこりができていました。
こちらはレントゲン写真のVD像です。全身の骨に石灰化が見られます。翼のしこり内にも石灰化が見られます。このしこりは、黄色腫(キサントーマ)または骨髄脂肪腫が疑われます。心陰影の拡大も見られます。
骨盤の石灰化部分が腹側に盛り上がっています。これによって腎臓が圧迫される恐れがあります。お腹が緩み、発達した卵管が腹部背側域を占めています。
血液検査では、ヘマトクリット値(血球と血漿との容積比)、血漿タンパク、中性脂肪、カルシウム、リンの上昇が見られました。ヘマトクリット値の上昇は、低酸素血症による可能性があります。心陰影拡大、呼吸促迫が見られることから、血液粘稠度の上昇による循環器不全が疑われました。血漿タンパク、中性脂肪、カルシウム、リンの症状は、発情所見であり、このような血液中の卵成分の増加は、血液粘稠度の上昇および高血圧を引き起こし、動脈硬化や心疾患を引き起こす原因となります。
治療は、正常体重への減量と発情抑制のための食事制限、循環器不全と脂質異常症に対する治療を行いました。発情が止まり、正常体重を維持した状態で換羽が来ると、羽毛が正常に戻ることが多いです。
脂質異常症によって血液粘稠度が上昇した状態が続くと赤い色素を持つコザクラインコは、レッドフェザーになることが多いです。なぜ黄色ではなく赤い色素が羽毛に沈着するのかは分かっていませんが、毛細血管の循環不全による羽毛形成不全を疑っています。しこりは縮小することはありますが、治ることはありません。あまりにも大きくなる場合は、外科的切除を行ないます。
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