手術を受けたサザナミインコのスイちゃんのご紹介です。

スイちゃんは、9歳1ヶ月齢です。群馬県から来院されました。２年前に首が膨らんでいることに気づき鳥の病院へ行きましたが、水を飲みすぎてそ嚢が膨らんでいるので様子を見るよう言われました。何度か通院しても同じ診断でしたが、どんどん大きくなってきたため他の鳥の病院へいきました。そこではそ嚢が膨らんでいるわけではないと診断されましたが、それ以上の治療の提案がなかったため当院へ来院しました。診てみると左頚部に柔軟性の高いしこりができているのが見つかりました。しこりの境界が不明瞭だったため、摘出ではなく吸引による減量術しかできない可能性がありましたが、飼い主さんの希望により手術を行なうことになりました。

手術前のスイちゃんの外観です。頚部には、頚部動静脈、迷走神経、気管、食道、頚気嚢といった主要な器官があり、リスクの高い手術となります。

手術は、まず腫瘤部分の皮膚を電気メスで切開しました。しこりを確認すると皮膚が剥離ができて境界が明瞭に確認できたため、皮膚と皮下織を剥離し、栄養血管を凝固切断してしこりを摘出しました。その後皮膚を縫合し、術式終了しました。

こちらが摘出したしこりです。まるでスライムのような柔らかさです。摘出後の病理組織検査にて脂肪種であることが分かりました。

しこりが取れて良かったですね。傷が治るまで安静にしててくださいね。

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