【誤飲チューブ摘出】マリンちゃん@ヨウム

手術を受けたヨウムのマリンちゃんのご紹介です。

マリンちゃんは、5歳2ヶ月の男の子です。10日前より食欲不振があるため、鳥の病院を受診したところ、レントゲン検査にて胃内にチューブがあると診断されました。手術のリスクが高い旨の説明を受けたため、当院へセカンドオピニオンを受けに来院しました。レントゲン検査をしてみると、幼鳥時にさし餌に使用したと思われるチューブが2本入っていました。チューブを摘出するため、腺胃切開を行うことになりました。


腺胃から筋胃にかけてフィーディングチューブが2本入っているのが分かりました。

麻酔をかけて皮膚を切開した後に呼吸が微弱となっため麻酔濃度を下げて人工呼吸を行いましたが、呼吸が停止しました。心拍数も低下したため、強心剤を投与して胸部マッサージを行ったところ、呼吸と心拍が回復したため覚醒させ、1回目の手術は断念しました。

飼い主さんと相談し、2週間後に再手術を行いました。呼吸が不安定になった原因が、翼を挙上して保定したことで、胸骨の動きを抑制したためと考えられるため、翼を挙上せずに風切羽を背側へズラすことで、側腹部にアプローチできるように保定しました。まず側腹部の皮膚を切開し、次に肋間筋を切開後、肋骨を2本切断して開胸しました。次に腺胃を切開して、内部を吸引し内部を確認しました。チューブが硬結してそのままでは摘出できないため、チューブを切断して1本目を摘出しました。しかし2本目が見当たらず、筋胃内を盲目的に探っても見つからないため、手術中にレントゲン撮影を行いました。

すると筋胃内に移動し、90度変位していました。場所が分かったため、盲目的に鑷子でチューブを掴んで摘出しました。その後腺胃を二重縫合し、閉胸して術式終了しました。


コチラが摘出したフィーディングチューブです。

チューブが取れてよかったですね。幼鳥時に誤飲させたとすると、約5年間胃に入っていたことになります。この状態で維持できていたのが不思議なくらいです。傷が治るまで安静を保ってくださいね。

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